ティファニーはロシア国内のブティックの営業を一時的に停止しています。この営業停止中に影響を受ける従業員には、必要不可欠な財政的支援や業務上の支援を提供する予定です。当社はウクライナで起こっている危機に引き続き注視し、ロシアに対する制裁および法的規制を遵守していきます。
ダイヤモンド
ティファニーのダイヤモンドは、慎重な配慮のもとに調達されています。ダイヤモンドセクターは、ダイヤモンドが原石として発掘された瞬間から、磨かれたジェムストーンになるまでの工程のすべてにおいて、事業を営む地域社会にポジティブな価値を提供できると私たちは信じています。
ティファニーは品質および社会的・環境的慣行について高い水準を維持しています。たとえば、人権と環境を守るために、キンバリー・プロセスの「紛争フリー」ダイヤモンドの定義を拡大することを長年にわたって求めてきました。ダイヤモンドを調達する際は、ダイヤモンド調達保証プロトコルの遵守など、サプライヤーにより多くの事柄を要求することによってキンバリー・プロセスを上回る対応をしています。
また、ダイヤモンドのトレーサビリティに対する最先端のアプローチを通して、高い水準を維持しています。当社はダイヤモンドの原石の大半をボツワナ、カナダ、ナミビア、ロシア、南アフリカの5カ国から調達しています。2020年度には、ダイヤモンドの原石の100%*が信頼できる採掘業者や信頼できる限られた採掘業者と取引を行うサプライヤーからのものであると遡ることができました。責任あるダイヤモンド調達の一環として、ティファニーは新たに調達したすべてのダイヤモンド(0.18カラット以上)を個別に登録し、それらの原産地情報(原産地域、原産国)を提供しています。2020年、ティファニーはストーンの製作過程を紹介する取り組み「ダイヤモンド クラフト ジャーニー」を開始しました。これを受けて当社は、ストーンが製作される国名を公表する初のグローバル ラグジュアリー ジュエラーとなりました。クラフト ジャーニーは、ダイヤモンドのカット、研磨、グレードの鑑定、セッティングの製造工程をお客様に説明することを可能にし、ダイヤモンドのトレーサビリティと透明性における先駆的な功績を挙げています。
ダイヤモンド トレーサビリティのリーダーとして、ティファニーは業界水準を遵守するだけでなく、良い模範となりジュエリー業界を牽引します。私たちは過去15年間にわたって、ダイヤモンドの生産物流管理プロセスを強固にする戦略を実行しています。それが可能である理由の一つは、ダイヤモンドのカットや研磨を行う自社の工場を直接監督できるためです。
責任ある調達活動を通して、当社は人権、公正で安全な労働慣行、環境の保護、および倫理的なビジネス行動を促進できると考えています。またそのような活動により、ダイヤモンドのサプライチェーンに沿って地域社会に経済的機会を創出することができると信じています。
貴金属
貴金属のよりサステナブルな未来を築くには、責任ある大規模鉱山、手作業による責任ある小規模鉱山、およびリサイクル資源の3つの調達元からの金属の調達が必要だと考えます。
長年にわたって、当社で扱う金属のトレーサビリティに重点を置き、サステナビリティレポートに調達慣行を開示してきました。2020年度中に当社が購入した原料貴金属の100%*の調達元が米国内の鉱山またはリサイクル資源からであると遡ることができました。また、当社の2025年サステナビリティ目標の一環として、外部サプライヤーが製造するジュエリーを含む、ティファニーのジュエリーに使用されるすべての金、銀、プラチナの鉱山またはリサイクル業者にまで遡る100%のトレーサビリティを2021年末までに達成することを目指しています。
ティファニーは2005年以来、社会的および環境的に責任のある金採掘のために、EarthworksのNo Dirty Goldの「Golden Rules」基準を適用しています。また、金の購入を通した武力紛争および、人権侵害への資金を提供する可能性を最小限に抑えるため、紛争鉱物に関して強力なプロトコルを導入しています。
2019年には、責任ある採掘手法を実践しながら環境上の利益を生み出すことを目的とする米国のパイロット プロジェクトを通して、手作業で採掘された少量の金属の調達を開始しました。2021年にはFairmined認定ゴールドを初めて購入し、今後も世界中の責任ある手作業による小規模採掘からの調達を増やす機会を求め続けていきます。手作業による小規模採掘セクターで責任ある慣行を推進することは、世界中の鉱山労働者の労働条件と生活を劇的に改善する可能性があると私たちは信じています。
カラー ジェムストーン
世界中の地域社会では、カラー ジェムストーンの採掘と売買は文化的伝統かつ生計源であり、何世代にもわたって受け継がれてきました。世界のカラー ジェムストーンの約80%は40カ国以上におよぶ、手作業による小規模鉱山に由来します。業界は非常に複雑であり、ジェムストーンの原産地を突き止めることが困難になっています。
ティファニーはジュエリーに使用する約60種のカラー ジェムストーンの調達において厳格なプロトコルを採用しています。また、透明性とトレーサビリティの向上を図りながら、サプライチェーンの現実を考慮した業界標準の設定を支援しています。2021年には、引き続きトレーサビリティを促進し、社会および環境への影響を改善するために主要な調達地域に取り組むことができるようサプライヤーとの連携を誘導する、カラー ジェムストーンと真珠の調達保証プロトコルを作成しました。たとえばアフガニスタンからのラピスやミャンマーからのルビーなど、透明性や人権に関する懸念がある国では宝石を調達しないことを決定しました。
また、ジェムストーンの責任あるサプライチェーンを推進するための標準の作成、およびベストプラクティスの共有にも協力しています。2015年、当社はラグジュアリー ジュエリー業界およびカラー ジェムストーン採掘セクターの他の企業と共にColoured Gemstones Working Group(CGWG)を結成しました。このグループは2021年に、より透明性の高いサステナブルな業界を実現するための知識、デューデリジェンス ツール、研修資料などのリソースを共有する全バリューチェーンのステークホルダー向けのオンラインリソースである、Gemstones and Jewellery Community Platformを立ち上げました。ティファニーおよびティファニー財団は、業界のパートナーシップと慈善活動を通して、鉱山労働者や業者から、カットや研磨の作業者にいたるまで、さまざまなステークホルダーを支援するとともに、人々がカラー ジェムストーンに依存している多くの地において、同セクターがサステナブルな暮らしをサポートすることを支援しています。
その他の素材の調達
ティファニーは、その用途が当社の商品や包装でも、店舗やその他の建築物でも、原材料を慎重に調達していることを誇りに思っています。製品、包装材、ブティックのインテリアのすべての主要素材の調達に関する当社の2025年サステナビリティ目標に沿って、2021年にティファニーは次世代の「サステナブルな素材に関するガイダンス」を策定し、実施する予定です。このガイダンスは、人権から真珠、木材、レザー、シルクなどの主要素材の生物多様性に至るまでの考慮事項を取り入れた調達ガイドラインを規定します。
材料がどのように調達され、作られているかを慎重に検討しており、生物種にも特別な注意を払っています。レザーを含め、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト、ならびに絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)の付録に含まれている種のサステナビリティに関するガイダンスを使用しています。サンゴや象牙など、特定の材料については、責任ある調達ができないため、使用していません。場合によっては、種の保護に対する見解を明確にし、戦略的な慈善活動を通して保全活動を支援することによって、このアプローチを自社の商品以外にも拡大しています。
責任ある採掘の推進
ティファニーでは、鉱山の所有、運営は行っていませんが、当社の商品のほとんどには、採掘された鉱物が使用されています。貴金属やジェムストーンの採取方法が極めて重要であると私たちは考えています。また、責任ある採掘を通してサプライチェーンに沿って地域社会に経済的機会を創出することができると信じています。当社は、採鉱サプライチェーン全体を通して最高水準の調達を維持し、世界的に大規模および小規模採掘事業の両方の慣行を改善することに取り組んでいます。
また、一企業として多数のサプライヤーとの長年にわたる関係を築き上げることで、確実に当社の価値観およびポリシーに協賛する人々から材料を調達しています。当社の金属の大部分は、信頼できる採掘業者またはリサイクル資源から直接取得しています。また、ダイヤモンドの大部分は採掘業者や信頼できる限られた採掘業者と取引を行うサプライヤーから原石の状態で直接調達しています。
当社は自社の業務を超えた変化を推進するため、サプライヤー、従業員、業界全体、非政府組織(NGO)、その他のステークホルダーとの協力によるマルチステークホルダー イニシアチブを通して、積極的な変化を生み出し、より責任ある採掘を促進するための専門知識を提供しています。その一環として、当社は2006年に責任ある鉱業の保証のためのイニシアチブ(IRMA)の立ち上げを支援しました。2005年の初めにはジュエラーとして初めて、EarthworksのNo Dirty Goldの「Golden Rules」の適用を開始しました。
自社のサプライチェーンの慣行を補足するものとして、ティファニー財団は、職人、小規模採鉱セクターによる金、ダイヤモンド、そしてカラー ジェムストーンの責任ある慣行を推進するための基準および信頼できる認証制度の確立を支援する団体に対して、これまでに約600万米ドルの助成金を提供してきました。
「当社では貴金属やジェムストーンの採取方法が極めて重要であると考えています。」
採掘が環境に与える影響の最小化
ティファニーは、採掘が環境に及ぼす重大な影響の可能性を理解し、サプライチェーン全体を通して影響を最小限に抑えることを最優先事項としています。私たちはどのサプライヤーと協力し、そしてどの国から調達するのかを注意深く選択しています。自社のサプライチェーンを超えて、環境に対する採掘の影響を低減するために、より幅広い影響と変化をもたらせるよう尽力しています。当社は、米国内の鉱山とリサイクル資源から金属の大部分を調達しているため、全国的な慈善活動および、支援活動を通して採掘における環境管理を推進しています。ティファニーのこうした取り組みは、イエローストーン国立公園を脅かした金鉱開発案に反対した1995年まで遡ります。これらの取り組みは、過去の鉱山を再開拓しようとしている組織の保全と支援に対するティファニー財団の助成金提供、ならびに責任ある採掘ポリシーおよび公有地の保護に関するティファニーの支援活動を通して、過去20年以上にわたって続けられてきました。
人権の保護
当社は、原材料を提供してくれる鉱山労働者からジュエリーの製作者に至るまで、当社の事業によって生活に影響を受けるすべての人々の権利を尊重し保護するように努めています。
社内では人権保護に努めており、既存のティファニーの企業方針に基づいて作り上げられた新しい人権ポリシーを策定し、すべての人の人権を守り推進する全社的な統一のビジョンを打ち出しています。当社のポリシーは、国連のビジネスと人権に関する指導原則および他の国際的な人権法と基準に則っています。このアプローチでは、ティファニーのサプライヤー行動規範、紛争鉱物プログラムなどに記述されている責任ある調達活動およびその他の要件にも重点が置かれています。
当社の事業を超えたコラボレーションは、より責任ある鉱業界を創造する上で最も効果的なツールの一つです。例えば、当社は2006年に責任ある鉱業の保証のためのイニシアチブ(IRMA)の立ち上げを支援したほか、人権保護を強化するため、キンバリー・プロセスの「紛争フリー」の言葉の定義を拡大することをダイヤモンド業界に対して求め続けています。その取り組みが評価され、当社は、その責任ある調達慣行について、2020年版の『Sparkling Jewels, Opaque Supply Chains(美しいジュエリー、汚れたサプライチェーン)』レポートにおいて、ヒューマン・ライツ・ウォッチより、ラグジュアリージュエラーとして2度目となる唯一「強い」の格付けを獲得しました。
誠実なジュエリー制作
ティファニーにおいて素晴らしいクラフトマンシップとは、原材料の調達からダイヤモンドのカットや研磨、ジュエリーの製作にいたるまで、製造プロセス全体にわたって社会的および環境的完全性を取り込むことを意味します。現在、当社のジュエリーの大部分は、自社の工房と施設で作られています。
当社の創業者であるチャールズ・ルイス・ティファニーは、1848年にニューヨークシティのブロードウェー店の工房で当社のジュエリーを内製するための職人を雇用し、その準備を始めました。また、ティファニーは、1800年代後期までに、銀細工およびダイヤモンドのカットと研磨の作業も開始しました。ティファニーは、ジュエリーの製造を社内で行うことで、生産プロセス全体を通して当社の高い水準を維持することを可能にするという重要な先例を作りました。
現在、当社は約1,500人の職人を雇用しています。当社のジュエリーの約60%がニューヨーク、ケンタッキー、ロードアイランドにあるティファニーの施設で製造され、ドミニカ共和国で研磨と特定の組立作業が行われています。また近年では、ティファニーのジュエリーに使用される、個別に登録された0.18カラット以上の研磨済みダイヤモンドの約75%は、当社が購入したダイヤモンド原石から生産されたものです。また、ダイヤモンドのカット、研磨、グレードの鑑定、セッティングが行われる国をお客様に公表することを可能にするダイヤモンド クラフト ジャーニーをお客様に誇りを持って提供しています。このような先駆的な透明性は、調達から製造に至るまでのジュエリーの管理に対する当社の細心の注意を示すものです。
また、ティファニーが事業を展開する地域社会や現地経済に積極的に貢献するよう努めています。これには、雇用の創出、労働者のトレーニングと昇進、発展途上国の当社工房で働く従業員向けの地域固有の生活賃金プログラムの確立などが伴います。ダイヤモンドのカットと研磨、およびジュエリー製作を行う施設を独自に運営することで、ジュエリーが安全で健全な職場で作られていることを確認することができます。
当社の責任ある調達への取り組みは、サプライチェーン全体にこの精神を広げています。私たちは、サプライヤーに対する当社の基準の展開に役立つ社会的および環境的責任プログラムを通して、当社の主要サプライヤーと協力し、彼らが人権や労働者の権利、さらには環境パフォーマンスを管理、尊重、保護する方法を改善することを支援しています。
ティファニーは、ロシア・ウクライナ危機についてどのような対応を取っていますか?
ティファニーはロシアからのダイヤモンドの調達を中止していますか?
ティファニーは、ロシア産の非工業用ダイヤモンドの調達に関するバイデン大統領の大統領令に完全に準拠しています。2022年3月21日時点でティファニーは、すべてのロシア産ダイヤモンド原石のみならず、カットと研磨が行われた国・地域を問わないロシア産のシリアル番号入りダイヤモンドの調達を一時停止しました。
メレ ダイヤモンドについては追加の措置を講じ、サプライヤーが当社のために行うロシア産原石の購入を停止し、ロシア産と非ロシア産のメレを区別するように指示しました。
自分のティファニーのダイヤモンドがロシア産かどうかを知ることはできますか?
世界のダイヤモンドの約30%はロシアから調達されています。その一方で、ティファニーでは新たに調達した個別登録済みダイヤモンドを透明性のある方法で流通管理しており、エンゲージメント ダイヤモンドの原産地をお客様にお選びいただけるようにしています。これはグローバル ラグジュアリー ジュエラーとしては初めての試みです。
ティファニーはダイヤモンドのトレーサビリティを提供していますか?
ティファニーは、新たに調達した個別登録済みダイヤモンドの全製造工程を共有することによってダイヤモンドのトレーサビリティを提供する初のグローバル ラグジュアリー ジュエラーです。トレーサビリティの情報には、ダイヤモンドを製作、セッティングした国・地域名が含まれます。
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